◆2007年6月定例会質問
1、中野区における犯罪被害者等支援について
2、高齢者を支える仕組みについて
●質問者 近藤さえ子●
2期目、質問させていただけることに感謝して、無所属の立場で質問いたします。
中野区における犯罪被害者等支援について
ここでいう犯罪被害者等支援とは、事件や事故に遭遇された被害者本人、またはその家族、遺族に対する支援のことです。自殺された方の遺族等も含みます。
私は平成18年第3回定例会において、犯罪被害者等についての中野区の支援策について質問しました。その中で、2004年に制定された国の「犯罪被害者基本法」の第1章第5条に、地方公共団体の責務が明記されていることをお話� ��ました。また、「犯罪被害者支援条例」を設けたお隣の杉並区の取り組みについても申し上げました。
今月20日、国会において、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律が成立しました。犯罪被害者・遺族が刑事裁判の法廷で加害者に直接質問などができる「被害者参加」制度の導入など、今までの裁判の仕組みを大きく変え、被害者・遺族の権利が拡充されました。
私自身、犯罪被害者の一人として、この法律改正について陳情の段階からその過程を見守って来ました。今回、衆議院、参議院の両法務委員会も傍聴し、政府与党議員の被害者支援に対する熱い思いを聴いて参りました。特に自民党衆議院の上川陽子議員、公明党衆議院神崎武法議員は被害者の権利、支援の必要性を、 熱心に語られました。当初、裁判制度を大きく変える法の改正には難色を見せていた民主党、社民党の議員たちも生活支援の必要性については優先的に訴えていました。
国は犯罪被害者等基本法が示す理念にのっとり、法律を大きく変えました。
衆議院を法案が通過した後、ある自民党議員は「いよいよ次は自治体レベルの支援ですね」とおっしゃっていました。
国の犯罪被害者の支援策が目に見える形で進み、自治体の支援策の取り組みが求められる中、中野区では実際に動きがあるのでしょうか。
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前回の私の質問「中野区における犯罪被害者等に対して、支援はどうなっているのか?」に対する区長のお答えは、「区では、各種相談業務の中で、犯罪被害を受けた方々から様々な相談に応じているほか、心のケアについては保健福祉センターで対応している。」というものでした。
確かに中野区は各種相談窓口があり、日々各種相談に応じていることは私も承知しています。しかし、犯罪被害者等の場合は、ある日突然事件に巻き込まれ、家族の死、或いは大ケガ、意識不明のままの入院など、心に大きな傷を負い、時間に追われ、一般と同じに区役所に来て順番をまって各種窓口に並び対応を受けている余裕は、精神的にも肉体的にも時間的にもないのです。
ある、� ��野区で起きた傷害事件の被害者のご家族、主婦の方のお話です。
ご主人が突然襲われ意識不明になり、集中治療室のある病院を探し、入院しました。植物状態で100日間の入院になりました。1日の入院額は7万円だったそうです。毎日の病院通いと警察の対応以外にも多々業務が発生しました。まずお金の工面です。どこでお金をかりればいいのか、分かりません。同居していた介護状態の90歳代の母親の面倒を見てくれる人も探さなければなりませんでした。それらのことをどこに聞いてよいかわからず、区役所のあちらこちらの部所に電話をかけ続けたそうです。普段お世話になったことのない弁護士も必要になりますが、どうすればよいか分かりません。つらい病院通いを続けながら、せめて助言を受けようと、区の法律 相談を予約し、順番を待ち、ようやく相談したところ、犯罪被害には精通しない弁護士だったため、適正なアドバイスはもらえなかったそうです。
その後、ご主人は亡くなられました。その絶望と悲しみの中で、また新たに、働き盛りの人間を社会から葬る大変な作業があるのです。毎日のように区役所の各種窓口に電話をする日々でした。まだ犯罪被害者の権利、支援が確立されていない時の経験ですが、「結局、区は何もしてくれなかった」とおっしゃっていました。
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ある日突然家族を襲われるという悲劇に見舞われただけでも、つらく悲しく、自分自身生きているだけでやっとの被害者等の家族に、介護の手配や託児の手配、急を要するお金の工面、病院の手配、弁護士の依頼、警察との連絡、通常一度には起こらない様々な業務が発生するのです。平時全く縁もゆかりもない世界、何の知識も持たないそれら1つ1つの作業に被害者又は被害者の家族が個別に当たっているのが現実です。
「各種相談窓口があるから、どうぞそちらにお願いします」と言うのは、犯罪被害者等に対しあまりにも冷たい対応ではないでしょうか。基本法が示す、自治体としての責務を果たすおつもりはあるのでしょうか?
大きな心の� �を負い、時間に追われている犯罪被害者等は、突然起こった事態に相談業務を一括して引き受けてくれるコーディネ―ターのような人間を必要としているのです。いろいろな手続きが一本化された窓口で対応してくださるだけでも、精神的ダメージは全然違います。
支援窓口を一本化し、犯罪被害者等の権利、支援に精通した職員を置き、総合窓口から様々な支援につなげていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
幸い中野区には、犯罪被害者等の権利、支援に精通した職員もいます。他区よりも少ない労で自治体の責務を果たす取り組みを進めていくことができるのではないでしょうか。
犯罪被害者等の権利、支援に精通した人をいれ、検討チームを作り、動き始めるべきと考えますがいかがでしょうか?
現在� �中野区の被害者等の支援は、警察や支援センター等の関係機関のパンフレットが1階に置かれているだけで、それを説明してくれる職員もいません。誰にどうやって相談して良いかも分からず、支援策は皆無に等しいと思います。犯罪被害はいつ誰の身に起こるとも限りません。支援策は急がれます。
中野区は防犯には力を入れていますが、万が一犯罪が起きてしまった場合、犯罪被害者等の支援にも自治体としての責務を果たせる区であることを期待して犯罪被害者等支援に関する私の質問を終わります。
高齢者を支える仕組みについて
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次に、3年前の2004年6月6日付、なかの区報は「7月1日 高齢者見守り支援ネットワーク『元気でねっと』を立ち上げます。」大きな見出しを載せていました。私は当時、厚生委員会でその説明を受けました。
担当職員は、自治会、町会・PTAなどのボランティア組織が輪になって支える仕組みの図を示しながら、「自治会、町会、PTAなどの人以外にも、1000人ぐらいは見守りのボランティアを集めるつもりである」と言う内容の説明でした。私は、その言葉に耳を疑い、「いったいどこに自治会、町会、PTA等以外にそんなにボランティアをやって下さる人がいるのですが?」と言う主旨の質問をしました。その後、結局、見守 り員のボランティアが予想していたほど集まらず、新しい高齢者見守り支援ネットワークは機能しませんでした。初めから、急に大勢のボランティアが集まるという設定には無理があったのに、区の側は一生懸命にボランティアを集めていたのですから、ご苦労ではありましたが、施策として、始める前から失敗であったのではないかと思います。
2004年から3年が経過し、今年度も、民生委員による1人暮らしの確認調査が始まっています。ひとり暮らし高齢者等を見守り、支える区民主体のネットワークの構築・運営費として、237万7千円の予算も付き、(仮称)「ひとり暮らしの高齢者等困りごと支援」調査費100万円も予算が付きました。
今後益々高齢化が進む状況で、見守りと言う安否確認だけではなく、� �う一歩踏み込んだサービスが必要になってくると考えるのは、日々高齢者と接している方には、すぐに想像されるところです。『元気でネット』の取り組みでも分かったようにボランティアを集めることは大変難しい作業です。もし、一人暮らし高齢者の見守りの人員の確保が一応できたとしても、その後の地域での高齢者の生活全般を支える仕組みはどうするのか、誰がどのように担保していくのか何も見えていません。
本当に支援が必要な高齢者に、そのニーズにあうサービスが提供できるネットワークの構築が必要だと思いますが、区、地域包括支援センター、民生委員、サービス提供事業者、中野区社会福祉協議会等の連携はとれているのでしょうか、また、連携を取りながら、うまく機能しているのでしょうか?介護保険だけでは補いきれない家事サービスなどにも対応する仕組みが必要になってくるのも時間の問題であると思われます。
今後、区は、高齢者を支える区民のネットワークとして、どのようなネットワークを作っていくのか、お聞かせください。
また、現在、地域の高齢者を支えている地域包括支援センターはとても評判が良い。しかし、私の地区では約7000人の高齢者を� �人の常勤職員で担当しています。ますます増える高齢者に対して、職員の激務状態は、きめ細かい対応ができなくなる可能性が高い。地域で高齢者を支える仕組みの「要の機関」である地域包括支援センターに、もう少し人員確保が必要であると思いますが、いかがでしょうか?
今度立ち上げる区民主体のネットワークでは、『元気でネット』の時のように、むやみに区民のボランティアを募るのではなく、現在機能している高齢者を支える組織の総点検から始め、介護保険では補えないサービスを、誰が、どう、担保していくかを真剣に議論していき、高齢者のニーズにあった支援になるように取り組んでいただきたいと思います。
私の質問は終わります。ありがとうございました。
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